懐古ism

新しく綺麗なものだけが美しいとは限らない。 古びて傾き、壊れ、錆びつき、朽ちていく物にこそ宿る美しさがある。

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名古屋市北区上飯田周辺 (4) 

2011/01/26
Wed. 22:13

「いい具合のもの」を探しながら何気に歩いていると、思わずハッとして息をのみ、そのまま立ちすくんでしまうことがある。
季節と見事に融合し、文句のない色彩バランスをもつ物件などがそれだ。

レトロな町・上飯田から、特に晩秋を感じてほしい二枚である。

トタン民家1
トタン壁もさることながら、ここでは屋根上の簡易ベランダからも目が離せない。
強度を不安にさせる錆び色は、そのボックス型形状の断固たる態度によって、力強い色へと生まれ変わる。

トタン民家2
もうこれは見事としか言いようがない。
侘び寂びの至福極まる一幅の絵のようである。

中央に立つ木々の枝ぶりは繊細で、窓にかかる紅葉も誰かの手によってそう配置されたかのように枝垂れる。
わざと窓に似せたかのように破れたトタンから、同じく窓に映る色に似せたかのように現れる土壁。
緑がかったトタンの波にうまくかかる錆び文様は、まるで焼き物にかかる鉄赤の釉薬のようである。
あえて強い主張のないように置かれた石と横板、無造作に見えてバランスの良い落ち葉も見逃せない。

本当にこれが自然に出来上がったものであろうか?
通りがかりの庭師がそっと手を加えていたとしてもおかしくはない秀作だ。

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