懐古ism

新しく綺麗なものだけが美しいとは限らない。 古びて傾き、壊れ、錆びつき、朽ちていく物にこそ宿る美しさがある。

瀬戸市 (17) 

2014/11/14
Fri. 19:10

瀬戸市 (17)3

瀬戸市 (17)2

瀬戸市 (17)1

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愛知県岡崎市(4) 

2010/12/22
Wed. 12:42

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壁、屋根ともにツートンの素敵な配色である。
屋根の飛ばない工夫のシンプルさ、かつ意匠をこらした配置にも頭が下がる。
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この家屋、まだまだ現役である。
車庫に収まった自動車も、並んで干された寝具類も、格子窓に映って見えるキッチン用品も建屋の住居生命に息吹の花を添える。
その存在はごく自然であって、この物件の素晴らしき所以はそこにこそある。



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愛知県岡崎市(3) 

2010/12/21
Tue. 12:43

様々な顔を持つ廃屋に出会った。

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隣家との隙間に覗き込んだのは、朽ちて原型を留めない庇板。
用を終えた水道管が這うリブ板のトタン壁が、対面する波板のそれを悲しくも際立たせている。
映り込んだ光と陰が、外壁と活きた其々のトタンの運命を物語るようだ。

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フォルムが実に素晴らしい。
重厚な存在感があって、なおかつ周囲に見事に溶け込んでいる。
いや、周囲を包含しているようにも見える。
それはこの廃屋の静かな自己主張の姿かもしれない。

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裏手に廻りこむと、こんな景色が広がる。
役目を終えた人間が土に還ることを想って、私はただじっと眺めていた。眺めるしかなかった。

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愛知県岡崎市(2) 

2010/12/21
Tue. 12:38

岡崎から送る第二弾。
やはり波形のトタン壁が目に色鮮やかな好物件だ。
今はもう廃屋となっているようだが、構造体としてはまだまだしっかりしており、使用には十分耐えるように思われる。
家屋裏面にある木製窓は壊れ、外れてしまったガラスこそ割れていないものの、半分はベニヤ板で塞がれている。
左側面の外壁から無造作に飛び出す煙突や喚起口も、一見なんの主張もないように見えて、トタン壁を頼もしくするアクセントになっている。
雨樋の両端は途中で切れている。

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愛知県岡崎市(1) 

2010/12/21
Tue. 12:36

まず、この建屋の奥深さを共に味わいながら、いくつかの鑑賞ポイントを紹介していきたい。



外壁面に使用されているトタン波板は、その錆び具合程度によって得も言われぬ味わいを醸し出してくれるもので、懐古istにとっては心強い建材の一つだ。
この物件の波トタン壁は、まだそれほど赤茶けてはいないが、スカイブルーの空を背にすれば、元のトタン色と錆び色の割合がかえって心地良いとさえ言えよう。
また、玄関引き戸の木枠の色合いは、その頃合が小気味好く、これから始まる更なる熟成を予感させてくれる。
軒下に設けられた小ぶりな板塀がこの色に続くのはいつの日だろうか。

同じく木製の二階窓手摺の鑑賞ポイントについては一目瞭然、言を俟たないであろう。
その微妙な角度は、傾いてなお揺らぎない安定感を思わせる。
修繕は未だなされない。
だからこその味わいが増す好物件である。




では、もう一つの鑑賞ポイントからこれを眺めてみよう。

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お分かりのように同物件は道の出会いに位置している。
そのため、見る位置によってその表情を大きく変えることがある。
当該物件では、居住用家屋部分がY字路先端部に迫り出した上で面取りされているわけではないので、いわゆる「面取り物件」とは呼べないが、土地を有効的に活用してその存在を憚らないコンクリ打ちの建屋には愛らしい面取り部が見られる。

しかし、このコンクリ建屋部分は果たしてなんであろうか?
家屋に対し、ただの納戸と呼ぶには立派すぎる気がして、おそらく風呂場かなにかであろうと考えてみたが、そうなると正面側にあるアルミドアの存在が気にかかる。上部にみえる錆びたボックス状の物体も何であろうか?商店の看板部のようにも見えるから、元はそうして使われていた開口部を用がなくなって後から閉じた可能性もある。元は開口部だと考えると、シャッター収納ボックスに見えなくもないが、これも判然としない。
また、向かって右側道路に面する建屋は、妻側に玄関をもつ二階建ての家屋と、それに続く家屋から成り立っており、こちらの建屋は平入側に同じ形状の玄関、板塀、庇をそれぞれ二つずつ構えていることから、おそらく長屋であろう。この二つの建屋は別棟のようにも見えるが、板塀や庇、仕切り塀の形状がほぼ同じであること、電気配線が共用されていること等の点を併せて考えると、これで一棟と見るのが正しい向きだろう。
もし風呂無し仕様の長屋だと考えれば、先ほどのコンクリ建屋が外部と通用するドアを持つ共同風呂だとしても合点がいく。この場合、二階建ては大家宅であるかもしれない。





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2017-08